退任で思うこと

DeNA、南場智子氏が代表取締役を辞任 後任は「mobage」統括の守安功氏

  • 家族の世話と仕事の両立を相談すると、
    • まず言われるのが病院や施設や補助の利用です。
    • 自分一人で抱え込まずにプロに任せれば良いと言うことですね。
    • 確かにそう思います。
    • でも実際、それらを利用するには制約があるのです。
    • 丁度良い施設が近くにあれば良いですが、
    • そうとも限らない。
    • 運良くあったとしても
    • 空きがあるとは限らない。
    • 補助は補助と言ってもホントに補助。
    • 国や自治体の助けは無いよりましですが、
    • あっても安心できるほどではありません。
  • そして、何をするにもお金がかかる。
    • 平均的な収入がある人でも、
    • 民間の施設を利用すればン十万はかかります。
    • 入居するにも小さなマンションが買えるほど
    • お金が必要な所もあります。
    • 訪問介護もそう。
    • 保険で補えない介護は実費です。
    • それらを利用するおかげで働いても、
    • 結局稼いだ以上に出て行くのです。
  • このニュースを初めて聞いた時、
    • 南場社長は相当なお金持ちのはずなのに、
    • なんで自分で世話する事を選んだのか疑問でした。
    • しかも勝手に、親の介護のためと思い込んでました。
    • でも、世話するのは旦那さんでした。
    • 旦那さんはすでに入院されていて、
    • 南場さんは午後2時で仕事を切り上げて、
    • 残りの時間を旦那さんの世話に当てているそうです。
    • 入院してても介護サービスなどは利用できるのですが、
    • 南場さんはそれを使わなかったわけですね。
  • 人生と言うリソースを何に注ぐか、
    • 人それぞれと思いますが、
    • それが仕事と言う人も少なくないでしょう。
    • 実際、南場さんもそうと思います。
    • ただそれより大事な事が出来ただけです。
    • でもこの大企業の代表を退くと言う決断はスゴイ。
    • 決して南場さんにとって今回の決断は、
    • 後ろ向きな決断ではないでしょう。
    • 退く事は偉くなった人の最も大事な仕事だからです。
  • 会社に勤めるリスクは、
    • 倒産とかいろいろあると思いますが、
    • 偉い人だってただのオジサン・オバサンなわけですから、
    • 未来永劫、会社を動かしてくれるわけではありません。
    • 組織と言う言葉でくくると実感しにくいのですが、
    • 結局は普通のオジサン・オバサンの集まりです。
    • なので寄らば大樹の陰で
    • どんなに儲かっている企業にいても、
    • 安心はできません。
  • では今回の事がDeNAのスタッフに
    • どんな影響を与えたか、
    • 私は士気が下がるような事はないと思います。
    • むしろ最高の形で社長が最後の大仕事を
    • 成し遂げて下さったと思っているのではないでしょうか。
    • 綺麗すぎるかしらん。
  • 世間的にだって、
    • しばらくは株価も下がるかもしれませんが、
    • 社長も一回りも若返りますし(37歳だって!)、
    • 企業として正常な新陳代謝が作用したとして、
    • すぐに評価されると思います。
  • それにしても、
    • 野間佐和子さんの時も思いましたが、
    • 引き際を見極めると言うのは
    • すごく難しいと思うのですが、
    • やはり大きな組織のトップに立てる人は
    • それだけの力を持ってるだけあります。
    • 逆にそれができない人は、
    • トップに立つべきではないと思いました。
    • 大樹に寄って何するわけでもなく
    • 樹液だけ吸い続ける虫ばかりが増えると、
    • 全てが大樹ごと倒れてしまいます。