「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」

「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか」


ウェブ進化論」の続編と言える一冊ですが、
あまり読んでいて新鮮味がありませんでした。
日進月歩のウェブの世界とは言え、
さすがに1年半ではそれほど新しい話題も無く、
ウェブ進化論」であまったテキストを束ね直したエコロジーな本です。


今回のテーマは、表題にある通り
ウェブ時代における新しい生き方、働き方について、
けものみち」をキーワードに意気揚々と語っています。


ウェブの進化によって、勉強や研究をする環境が万人に整った一方で、
その研究がある程度のレベルに達した時の選択肢として、
他人とは違う道(けものみち)を推奨しています。


梅田氏本人を含め、ウェブで成功を収めた事例を挙げていますが、
やはり専門家にいくら説明されても、
どうしても穿った読み方になってしまいます。


もし、本当にウェブの世界へ飛び込む事を勧めるのであれば、
梅田氏のような専門家よりも、
全くの畑違いの人から教わった方が説得力があります。
岡田斗司夫氏が50kgダイエットするくらいの“振り幅”が欲しい所です…。


梅田氏の吹いたラッパに感化され、けものみちを歩き始めた若者たちが、
この先で路頭に迷う事にならないかと、読んでいて不安になりました。
二重の意味でネットカフェ難民の増加を予感させる一冊です。